新型コロナウイルスの期待される治療法について

新型コロナウイルス感染症に対して、現在、有効性が証明までされている治療法はありません。

しかし実際に治療に導入されていたり、可能性が期待できる治療法がいくつか登場しています。

本日は現在（2020/02/18）、治療に導入されていたり、可能性が期待されている治療法をご紹介します。

ワクチンについて

まず、残念ながら新型コロナウイルスのワクチンは存在しません。

そのため、現時点における治療の基本は対症療法です。

対症療法とは

病気の原因を取り除くのではなく，病気によって起きている症状を和らげたり，なくしたりする治療法のことです。

肺炎を認める症例などでは、通常の肺炎と同じく、必要に応じて輸液や酸素投与、昇圧剤等の全身管理を行います。

細菌性肺炎の合併が考えられる場合は、細菌学的検査の実施とともに抗菌薬の投与が行われることもあります。

以下では、まだ治療法が確立されていない新型コロナウイルスに対して、現段階で効果があると推測されている治療法をご紹介します。

臨床で期待されている治療法

ロピナビル/リトナビル（抗HIV薬）

ロピナビル/リトナビルというのは、抗HIV薬の一部になります。

現在、日本環境感染学会の、新型コロナウイルスに関するガイドラインで、推奨されている治療薬の一つになります。

既に各国では、ロピナビル/リトナビルを用いた治療が行われており、今後さらに治療効果が検証されれば治療薬としての可能性が期待されています。

事実として、中国で行われている新型コロナウイルスに関する臨床実験では、リトナビルとロピナビルの配合薬が最も多く投与されています。

また、リトナビルとロピナビルの併用療法は、過去にSARS（重症急性呼吸器症候群）コロナウイルス（SARS-CoV）に感染した患者への効果が示唆されていたこともあり、今回の新型コロナウイルスに関しても一定の効果があると推測されています。（参照：日本環境感染学会）

レムデシビル

アメリカの大手製薬会社ギリアドが製造した抗ウイルス薬です。

この抗ウイルス薬は、まだどの用途に対しても承認されていませんが、18年のコンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱患者に対する治験結果において、安全性が報告されたことがある、抗ウイルス薬になります。

中国においても、マウスとサルを用いた実験において、新型コロナウイルスの霊長類の細胞への感染を防ぐ上でレムデシビルの有効性が証明されたと報告されています。

抗インフルエンザ剤

もちろん、インフルエンザに特化した薬ではありますが、既に新型コロナウイルスの治療目的での使用例があります。

中国では、すでに承認されている抗インフルエンザ薬「オセルタミビル」や「アルビドール」の有効性を調査する治験が開始される予定であり、新型コロナウイルスへの有効の可能性が期待されています。

現在開発中の治療法などについて

抗体治療

抗体とは

ウイルスやその他の異物を生体内から除去するために、免疫系がつくり出すたんぱく質であり、一度感染したことがある患者の血漿中にそのウイルス等に対する抗体が含まれています。

この抗体を、取り出して感染患者に投与することで、即座にウイルスに対する抵抗力を上げることができます。

ただし、ワクチンは、効果の持続時間が数年のに対し、抗体治療では数ヶ月程度ということが多いです。

弱毒ワクチンの開発

弱毒ワクチンとは

弱めた感染力を有する病原体を用いたワクチンのことです。

微生物病研究所の神谷亘理らの研究グループ(現:群馬大医学系研究所)では、

コロナウイルスの遺伝子操作系を確立し、遺伝子操作による、弱毒ワクチンの開発に取り組んでいます。

逆効果と報告されている治療法

ステロイド剤

通常、炎症軽減のためによく使われる薬。

新型コロナウイルスの患者の肺にも通常の肺炎と同じく、よく炎症が見られます。

しかし、エジンバラ大学はステロイドは患者にほとんど効果が見られず、さらに痛みが増すなどの害を及ぼす可能性があると結論付けています。

報告によりますと、ステロイドは患者がウイルスと闘うための免疫系の能力も損なってしまうようです。

まとめ

現在新型コロナウイルスを止めるべく、様々な開発が急がれており、いくつか新型コロナウイルスに対する効果が報告されているものもあります。

今回は、特に注目されている治療法を取り扱いましたが、いずれもいまだ効果が確実にあるかはわかっていないため、新薬の開発に期待ですね。

コロナウイルス速報について

コロナウイルス速報では、新型コロナウイルスの感染状況をマップ・グラフを使い可視化しております。

また、

「新型コロナウイルスにかかっているかどうかのチェックシート」
「新型コロナウイルスの対策」
「新型コロナウイルスの特徴と性質」

について詳細にまとめた特設ページを作成しております。そちらも活用ください。